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【5人制女子 / 予選ラウンド第2戦 大会レポート】日本69-86アメリカ:リオ大会からの成長と手応えを感じられた世界一への挑戦

2021年7月30日

 東京2020オリンピックで金メダル獲得を目標に掲げるAKATSUKI FIVE 女子日本代表は、予選ラウンド2戦目にして大会6連覇を成し遂げた世界一のアメリカと早くも対戦。リオデジャネイロオリンピックでは準々決勝で対戦し、64-110で敗れています。あれから5年、この大きな壁を乗り越えるために強化してきた成果を試す1戦となります。第1クォーターこそ30-28とリードを奪いましたが、アメリカは精度の高いシュート力で69-86、17点差で敗れました。

 「相手が大きいので、スイッチディフェンスをされたときに、しっかりリングにアタックしてシュートチャンスを作ることを意識して試合に入りました」という町田瑠唯選手は、スピードのミスマッチを突いてチャンスを作ります。リオデジャネイロオリンピックの準々決勝でもアメリカと対戦した経験の持ち主であり、「リオでも日本の3ポイントシュートやスピードは通用していましたし、今のチームはもっと速いバスケットを目指しています」とギアを上げ、11アシストを記録。自ら9点を挙げましたが、今日は29%と精度を欠きます。チーム全体としても、シュート成功率が低かったことが敗因でした。

 アメリカの54%(37/68本)に対し、日本は78本とシュート試投数こそ上回りましたが27本しか決められず、35%。その理由について、髙田真希選手は「1度でもブロックを経験してしまうと意識してしまい、練習通りのリズムで打てなくなってしまいます」。この試合、アメリカに6本のブロックショットをされ、高さに対して意識し過ぎてしまったことが原因となったようです。はじめてアメリカと対戦した宮崎早織選手も、「スピードの部分で抜くことはできましたが、その後にブロックが飛んでくるので、そこが日本での戦いとは違うところでした」と言い、シュートまで行けていましたが、思うように得点につなげることはできませんでした。

 アメリカに勝つためにも、「3ポイントシュートは4〜50%近い成功が必要でした」とトム・ホーバスヘッドコーチは考えています。#99 オコエ桃仁花選手と#52宮澤夕貴選手が3本決めましたが、チーム全体としての成功率が26%(10/38本)では厳しいのが現状です。逆に相手に確率良く決められてしまっていた点について、宮澤選手は「ディフェンスを見てしっかりプレーしていて、スイッチしたときの対応や誰が打つべきかなどが徹底されていました。それ以上に、1on1が強いのでそこで上回れてしまいました」という差を感じています。

 リオデジャネイロオリンピックのときは46点もの大差で敗れましたが、今回は17点差まで詰めています。また、オープンでシュートを打てていた場面も多く見られ、あとは決めるだけという手応えも感じられる試合となりました。ディフェンスでも大きなアメリカを守れていた時間帯があります。宮崎選手は、「相手のガードに対してプレッシャーをかけることは出せたのかなと思います。後半はみんなの足が止まってしまいました。金メダルを獲りに行くためには40分間走り続けなければ勝てないので、そこはもっと徹底していかなければいけないことが分かりました」とアメリカ戦を通して自分たちのスタイルの答え合わせをし、自信に変えます。

 髙田選手も同じく、「第1クォーターに逆転できたのもディフェンスからミスを誘って、オフェンスでは自分たちのペースに持って行けたのが良かったです。しかし、相手もアジャストをしてきて、なかなか前に出づらくなってしまった部分がありました。その時にこそ、臆することなく前に出て、40分間ディフェンスでプレッシャーをかけ続けなければ、やっぱり勝てないと今日の試合を通じて肌で感じました」と修正点が明確になったことで、今後はさらに上向いていくだけです。

 次戦は8月2日(月)10:00より、ナイジェリアと予選ラウンド最終戦を戦います。この後に行われるフランスvsナイジェリア戦の結果次第になりますが、まだ1勝しかしていない日本にとっては、上位2チームに入って確実に決勝トーナメント進出を決めるためにも絶対に負けられません。そのナイジェリアは初戦でアメリカと対戦し、敗れはしましたが72-81と僅差のゲームをしています。町田選手は「ナイジェリアも高さやパワーがあり、アグレッシブなディフェンスをしてきます。そのプレッシャーに負けないように、積極的にアタックして行くことが大事です」と言い、髙田選手は「すごくアグレッシブで、身体能力も高いチームです。リズムに乗せてしまうと、気持ち的にも勢いに乗るチームです。勢いに乗せないためにも、出だしから集中して入らなければなりません」と気を引き締めて臨みます。

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