REPORT 現地レポート

【5人制女子 / 決勝】日本75-90アメリカ:銀メダルからはじまる新時代

2021年8月8日

 1996年アトランタ大会より6連覇している世界一のアメリカとの決勝戦。東京で開催されたオリンピックの最終日、バスケットボール競技におけるラストゲームのコートに、はじめてAKATSUKI FIVE 女子日本代表が立ちました。

 「予選ラウンドのアメリカ戦でできたことが今日は全然できなくなってしまい、そこで日本の足も止まってしまいました」という赤穂ひまわり選手は何度もブロックされ、大きな相手にシュートを阻まれます。3ポイントシュートが好調だった宮澤夕貴選手に対し、「私と林選手のところを打たせないようにしてきた徹底具合は、他のチームとは比べものにならないほど良いディフェンスでした」。宮澤選手は3点、林咲希選手も4点に抑えられ、結果は75-90。アメリカの壁はやはり高く、持てる全ての力を振り絞ってチャレンジしましたが、乗り越えることはできませんでした。

 日本のプレーは全てにおいて対応され、予選ラウンドのときと比較してもレベルアップし、これが本気のアメリカです。15点差で敗れましたが、その中でも手応えを感じられるプレーはいくつもありました。髙田真希選手は言います。

「点差を離されても気持ちを折ることなく速いペースを続け、第4クォーターもディフェンスで仕掛けて相手のミスを誘う場面が何度もありました。諦めることなく、どんな相手でも自分たちのスタイルを貫き通すことが大切です。勝負どころで勝つのは、それが徹底できているチームです」

 予選ラウンドのアメリカ戦では1分ほどの出場時間だった本橋菜子選手ですが、決勝では19分近くコートに立ち、16点と活躍。「最後まで積極的に自分が空いているチャンスを見逃さずに、シュートを狙って行くことはできました。自分ができることは全部出せたと思います」とその力を出し切り、清々しい表情を見せました。他の選手たちも、「楽しかった」と話しており、最高の舞台で持てる力を出し切ります。

 リオデジャネイロオリンピックの準々決勝では、64-110と46点差をつけられました。しかし今回は2度対戦し、予選ラウンドでは69-86、決勝は15点までその差を縮め、世界一のチームの背中に触れる位置まで来ています。だからこそ、「この試合の経験は絶対に忘れて欲しくない」というトム・ホーバスヘッドコーチ。「アメリカを倒すことを新しい基準とし、そのために何をすべきかを考えていかなければいけません。これからがはじまりです」と続け、銀メダルから女子バスケ新時代が幕を開けます。

 「NEA AGE 〜新時代へ。」をスローガンに掲げるWリーグの新シーズンは、10月12日(火)より開幕します。その前には9月3日〜5日に高崎アリーナにて、「Wリーグ オータムカップ2021 in 高崎」が開催され、所属する全てのチームが集結し、新シーズンへ向けた腕試しを行います。きっとそこには充電期間を終えた女子日本代表メンバーも参加し、次は対ライバルとして激しい戦いを見せてくれることでしょう。

 あらためて歴史に名を残した女子日本代表選手たちの名前と所属先をあらためて紹介します。ぜひ、今後もWリーグで活躍する選手たちへのご声援をよろしくお願い致します。

#0 長岡 萌映子 (トヨタ自動車 アンテロープス)
#8 髙田 真希 (デンソー アイリス)
#12 三好 南穂 (トヨタ自動車 アンテロープス)
#13 町田 瑠唯 (富士通 レッドウェーブ)
#15 本橋 菜子 (東京羽田ヴィッキーズ)
#20 東藤 なな子 (トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
#27 林 咲希 (ENEOSサンフラワーズ)
#30 馬瓜 エブリン (トヨタ自動車 アンテロープス)
#32 宮崎 早織 (ENEOSサンフラワーズ)
#52 宮澤 夕貴 (富士通 レッドウェーブ)
#88 赤穂 ひまわり (デンソー アイリス)
#99 オコエ 桃仁花 (富士通 レッドウェーブ)

■最終順位
優勝[金メダル]アメリカ
2位[銀メダル]日本
3位[銅メダル]フランス
4位 セルビア
5位 中国
6位 スペイン
7位 ベルギー
8位 オーストラリア
9位 カナダ
10位 韓国
11位 ナイジェリア
12位 プエルトリコ

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