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【5人制女子 / 準決勝 大会レポート】日本87-71フランス:オリンピック新記録の18アシストを決めた町田瑠唯選手の活躍で史上初のメダル確定。決勝は8月8日(日)11:30よりアメリカと金メダルを懸けてラストゲーム

2021年8月7日

 東京2020オリンピックの女子準決勝に進んだAKATSUKI FIVE 女子日本代表はフランスと対戦。フランスとは開幕戦ですでに対戦し、そのために3ヶ月間を費やして対策を練ってきました。2回目の対戦となり、「今日は自信を持って入れましたし、もちろん日本のバスケットを出せば絶対に勝てることは信じていました」と宮澤夕貴選手は言います。フランスを相手に最大27点差をつけ、全選手がコートに立ち、87-71で快勝。初の決勝進出を決めたとともに、史上初のメダルが確定しました。

 試合後、コート上で飛び跳ねて喜んでいましたが、コートを離れて記者が待つエリアまで歩いてくる間に平静さを取り戻す選手たち。メダルが確定したことに対し、宮澤選手「本当にうれしいですが、まだ実感がわいていないです。それは、全員で金メダルを目標にしており、ここはまだ通過点だからだと思います」と気持ちを切り替え、決勝を見据えていました。

 宮澤選手は3本の3ポイントシュートを決め、14点を挙げてこの日も活躍します。ナイジェリア戦から積極的にゴールへ向かって行ったことで得点を伸ばす赤穂ひまわり選手は、17点でチームハイを記録。オフェンスでの好調さについて、赤穂選手は「シューター陣が高確率に決めてくれていることが大きいです。相手のディフェンスが明らかに外を張っているので、それによってインサイドに行きやすくなっています」とその要因を挙げます。

 日本の得点を次々とアシストしたのが、ポイントガードの町田瑠唯選手です。ナイジェリア戦で15本のアシストを決め、1996年アテネ大会でテレサ・エドワーズ選手(アメリカ)が記録したオリンピックでの1試合最高アシスト数に並びます。そして本日の準決勝では、18本のアシストを数え、25年ぶりとなる新記録を樹立しました。

 「これまでは赤穂選手に対するディフェンスが、カッティングを警戒していたのでなかなかパスを入れることができなかったです。でも今日は、良いタイミングでカッティングしたり、よく走ってくれたので良いパスを出すことができました」と町田選手は言い、二人のコンビネーションプレーが冴えます。パスを受けて得点を伸ばした赤穂選手は、「今日は町田選手の動きに合わせていっぱい走ることができ、そこで走れば絶対にパスが来るので、(パスしてくれて)ありがとうございますと言いたいです」と感謝します。

 「町田選手が『打てっ』というパスを出してくれるので、自分も含めたシューター陣もそうですし、他の選手も気持ち良く打てています」というのは宮澤選手です。パスを出す技術だけではなく、宮澤選手ら受ける側も「この場面でマークが空くので、準備しているからパスして欲しい」など練習後や試合中でもコミュニケーションを取っているからこそ、町田選手のアシスト数とともにチーム全体の得点が伸びています。

 目標に掲げた金メダルまで、あと1勝に迫りました。ラストゲームで対戦するのは、オリンピック3連覇しており、今大会も唯一無傷の5連勝で勝ち進んでいるアメリカです。準決勝を終えたあと、「今のチームは12人誰が出ても、自分の役割を果たせることが一番の強みです。この12人が必要ですし、それぞれの役割が与えられ、それを理解した上で戦うことができています」と髙田真希キャプテンはこれまで通り、チーム力に自信を見せました。

 それぞれの役割はコート内だけではなく、「ベンチで声を出すなど、常にできることをしていました」というオコエ桃仁花選手。宮崎早織選手は、「対戦相手のアジャストは、自分たちBチームの選手たちが毎日行っています」と言うように、練習中にも大事な役割があります。決勝へ向け、チームの結束力をさらに高め、「自分たちのバスケットをすることが重要ですし、それ以上に楽しむことが一番大事です。この舞台に立てていること自体がすごいことですから」と宮崎選手は目を輝かせます。「楽しむ」というキーワードは他の選手も話しており、決勝へ向けたプレッシャーは感じられません。自分たちの役割を100%全うし、楽しんでプレーすれば自ずと結果はついてくるはずです。

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