REPORT 現地レポート

【5人制女子】目標達成まであと2勝。準決勝は8月6日(金)20:00より、開幕戦で勝利したフランスと対戦

2021年8月5日

 AKATSUKI FIVE 女子日本代表はオリンピック史上初のFINAL4に進み、明日8月6日(金)20:00よりフランスとの準決勝に挑みます。今大会トップ(※8月4日現在)となる39.4%(平均13.5本も1位)の成功率で3ポイントシュートを決め、平均82.8点はアメリカ(平均86.7点)に次ぐ得点力を誇ります。FIBAサイトの試合結果にはボックススコアなどとともに、ショットチャートを見ることができます。1.5倍の価値がある3ポイントシュートか、ゴールに近くより確率が高いペイントエリア内でのシュートでほとんど占められています。このきれいに二極化された状態こそ、トム・ホーバスヘッドコーチが目指してきたスタイルです。

 個人スタッツの3ポイントシュート成功本数を見ると宮澤夕貴選手が1試合平均4本(45.7)、林咲希選手も同3.8本(46.9%)で続き、平均3本を成功させたジェナ・オヘア選手(オーストラリア)に大きく差を開き、現在大会トップ2。得点を演出するポイントガードの町田瑠唯選手は、平均12.8本でアシストランキングトップに立っています。準々決勝のベルギー戦では14本のアシストとともに、10点を挙げた町田選手はダブルダブルを記録しました。

 オフェンスでの素晴らしい記録を残している日本ですが、世界に勝つために力を入れて強化してきたのはディフェンスです。リードされる厳しい時間帯でも、「日本は後半に走り勝つように、足を止めないでディフェンスをしていこう」とホーバスヘッドコーチは徹底し、勝利につなげています。身長差に臆することなく身体をぶつけて守り、ボールを奪ってチャンスを作っているからこそ得点も伸びています。劇的な逆転勝利となったベルギー戦も、試合終盤にディフェンスでプレッシャーをかけ続けたことで流れを引き寄せました。

 準決勝でメダルを争うフランスとは開幕戦で対戦しており、74-70で接戦を制しています。フランスの#15 ギャビー・ウィリアムズ選手は、「あの敗戦から自分たちのスタイルをもう一度見つめ直したことで、今は最高のバスケットボールができています」と自信を持って勝ち進んできました。フランスのスタイルを取り戻し、リベンジに燃えています。しかし、日本はその開幕戦に向け、フランスのことは徹底的にスカウティングしてきており、どのチームを相手にするよりも準備はできています。

 出場12チーム中で平均身長175cmのプエルトリコに次ぐ、平均176cmと低い日本であり、それ以外のチームはいずれも180cmを超えています。190cmを超える選手が唯一いない日本ですが、「小さい分、逆にこのメンバーでしかできないバスケットができています。そこは自信を持って良いですし、一人ひとりが役割が分かっているのでチームとして戦えています」と、一番小さい162cmの町田瑠唯選手はその利点を挙げます。「シュートタッチはずっと良い感じです」と話していた165cmの本橋菜子選手は、昨日のベルギー戦で10点を挙げてチームの勝利に貢献。「誰が出ても、誰かがダメでも、チームとしてまたステップアップできているのは今の日本の強みです。一人ひとりがチームのことを考え、自分の仕事を全うしようという姿を見られることが自分にとってもすごく刺激になっています」と互いに支え合い、12人全員が活躍する日本が掲げた目標達成まで、あと2勝に迫っています。

 64-67で惜しくもフランスに敗れ、準決勝で日本との対戦が実現しなかったスペイン。ルーカス・モンデーロ ヘッドコーチ(トヨタ自動車アンテロープス)も、楽しみにしていただけに残念です。日本の戦いぶりもしっかり見ていてくれており、「若いチームですが、今大会を通じて成長を感じます。5人制でも3×3でもアンテロープスの選手たちが活躍しているのを見て、私自身すごく光栄に思っています。3×3は残念でしたが、どちらの女子日本代表も本気でメダルを目指してがんばっている姿を見られたことがすごくうれしいです」と所属選手たちの活躍に目を細めていました。

 明日の準決勝もう1試合は、アメリカvsセルビア。セルビアは6月に行われたユーロ・バスケットを制したヨーロッパチャンピオンです。そのセルビアは予選ラウンドで韓国、準々決勝では中国と対戦し、「アジアのチームはいずれも素晴らしいチームです。もちろん日本もレベルが高く、強いチームなので対戦できるのを楽しみにしています」とマリーナ・マルコヴィッチ ヘッドコーチ(デンソーアイリス)は話しています。

 明日8月6日(金)20時から行われる女子日本代表の準決勝は、NHK総合での生中継が予定されています(※他競技の状況により今後も変わる可能性があることをご了承ください)。gorin.jpでも、今後の全試合が配信される予定です。クライマックスを迎えた世界最高峰の戦いをぜひお楽しみください。

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